がん検診は10年前に比べてその検診者が増加しており、しかしながら欧米に比べて日本の検診率はまだまだ、半分以下とも言われており、がん検診を受けることを国としても奨励しており、徐々に検診率が高まってはきました。誤解されがちなこととして、がん検診が早期発見であると考える人が多いでしょうが、早期発見は結果論であり、結果として発見したがんが早期のものであれば、その言葉が当てはまるのですが、発見した時にすでに症状が進行しており、末期であることも少なくはない例としてあります。確かに、がん治療において根治が期待できるパーセンテージが高いのは、早期のがんであることはまいがいない事実ですが、末期であることが必ずしも死とイコールではありません。より精度の高い精密医療機器で、非常に細かながんや進行してしまったがんで、治療方法が極めて低いケースであっても、検査にどのような意味があるのかと言えば、そこにもがん検診の検査を受ける確かな意味があるのです。
がん検診により、万が一末期がんであることが分かってもより正確な病変の特定と進行状態を知ることにより、その段階にあった、より良い治療方法を選択し、延命効果を期待することとなります。末期がんから回復したという症例も少なからずあり、そのためにも正確な病気の状態を知ることが必要であるのでしょう。検診により、現在の自身の体の状態を把握することがもっとも重要であると言えるのでしょう。