心はクタクタに疲れているのに、それに気づかずに体だけは満員電車に乗って出社し、1日の仕事をこなしているというケースが多々あります。そして気がついた時は出社する気力もご飯を食べる気力もなくなっていた、というケースもあります。頭が痛いとかお腹が痛いなどの体の不調以上に、心の不調は気がつきにくいことがあります。特に日本人は、何かと根性や精神力で頑張ろうとする気質があるので、心が疲れていても体だけで働いて、その分、心には大きな負担をかけているのが現状です。

仕事を原因で精神障害に陥ったという労災請求件数は、近年激増しています。平成3年は申請は極わずかでしたが、平成11年は申請が約200件、そして26年は1400件と桁違いに増え続けています。認定された件数も平成11年はわずかでしたが、26年はおよそ3分の1の約500件が認定されています。身体の健康診断を行って病気での欠勤や退職を少しでも予防しようというのと同様に、心の健康診断を行ってうつ病などの心の病での欠勤や退職を少しでも減らそう、というのが、ストレスチェックです。

ストレスチェックの結果は、体の健康診断と同様に、本人にも知らせます。そして事業主や産業医は、ストレスチェックの結果をもとに職務の行い方を改善したり、職場の環境を改善に努めなければなりません。現在は、50人以上の従業員がいるすべての事業所でストレスチェックを1年に1回行うことが義務付けられていて、違反した場合は罰金が科せられたり指導を受けることになります。従業員が50人以下の場合は努力義務となっていて、できるだけやった方がいいですよ、といった感じです。

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